ラテックスの怪獣模型の作業行程 (6) 塗装

塗装は、ゴム皮の表面の伸縮性に合わせて、伸びるようには、なかなか出来ません。
リキテックスを使用します。
塗装1

リキテックスを水や溶剤で希釈せずに、液体ラテックスで希釈して筆塗りしてゆきます。
塗装2
塗装4

怪獣ですから汚し塗装でエッジを引き立たせます。茶系のリキテックスを水でサラサラに希釈して全体的にウォッシングしてやります。
塗装3

≪ 7 完成に続く≫

ラテックスの怪獣模型の作業行程 (5) 張り合わせ

肉付けした骨組みに、Gボンドを使用して、ラテックスで作ったゴム皮を着せ付けて張り合わせます。
骨組3
骨組4

Gボンドはベタつくので、接着面からよくはみ出しますが、後からラッカーシンナーである程度、拭き取れます。
接着面が乾いたら、ツギ目隠しに、ラテックスを盛り付けたりします。

目や爪や牙などは、適宜、エポキシパテ等で別パーツを作成して、Gボンドでゴム皮に接着します。
パテ1

≪6へ続く≫

ラテックスの怪獣模型の作業行程 (4) 骨組み

骨組みは、アルミ線や針金を使います。
アルミ線は盆栽用に3mm太さの物が、便利です。
骨組0000
骨組0

30cm程度の人型をイメージしてより合わせ、ガーゼや手拭いを細切りにした物を巻き付けて、Gボンドで固定します。
骨組00
骨組000

さらにスポンジ等で適当な太さまで肉付けします。
骨組1
骨組2

≪続く≫

ラテックスの怪獣模型の作業行程 (3) 注型

出来上がった石膏型を、パーティングラインで併せ、壺型にします。
注型1

液体ラテックスを注ぎ込んで、湯口にはラップなどで蒸発防止をします。
そうする事で石膏にあたる部分のみのラテックスが硬化を始めて、ゴム皮状になります。
注型2
注型3

注型時間は気温にもよりますが、6~10時間程度です。その後、湯口から、余った液体ラテックスを排出して、ゴム皮の内側を、布団乾燥機などで、温風をあて、完全に乾かします。

完全硬化したら、ベビーパウダーを表面にはたいて、くっつき防止をしながら、ゆっくり石膏型から剥がします。
離型1
離型2
離型3

同じように、胴体他のパーツも用意していきます。
離型4

≪4へ続く≫

ラテックスの怪獣模型の作業行程 (2) 型取り

粘土で作った原型を、石膏で型取りします。

胴体、頭、手足、尾 等に原型を分割して、パーティングラインを決めます。

水粘土で、パーティングラインに沿って、土手を作ります。
水粘土2

土手は、水を含ませた筆で、表面を少し溶かすような感覚で、滑らかに仕上げます。
水粘土1

原型の表面にあたる部分は、樹脂入り石膏はじくようにして、細かいモールドに入っていくようにします。
表面を1cm位、厚みを持たせます。
石膏0
石膏1

さらに普通の焼き石膏で、2cm程度 盛り上げます。焼き石膏の部分は、強度をつけるために、麻や、ガーゼの切れ端を混入します。
石膏2

片面を型取りしたら、水粘土の土手をつけ直して、パーティングラインに当たる石膏面に、カリ石鹸を塗ります。
カリ石鹸
水粘土3

石膏で型取りして、充分に石膏が固まったら、パーティングラインで分解し、原型であった油土を剥がします。
石膏3

石膏型にラテックス注入用の湯口を、カッター等で掘ります。

その後充分に乾燥するようにオーブンで、数分、加熱します。

≪ 続く ≫

ラテックスの怪獣模型の作業行程 (1) 粘土原型

それでは、「ラテックスで人形作りの備忘録」に従って、実際の作業工程を記録して見ます。

今回は、ウルトラ怪獣のガボラを作っていきます。
ガボラ

だいたい30cm位の人間の骨格が埋まっていると思って、インダストリアルクレイか、油土で彫塑します。
なんで30cmかというと、以前 読んで参考にした雑誌の記事に、1尺の大きさで、ラテックスの怪獣ミニチュアを作成している物があったからです。
ただ、怪獣のぬいぐるみ役者は、背が高い人もいれば、低い人もいたでしょうし、デザイン自体も大きめのエレキングがいたり、小さめのピグモンがいたりですから、そんなに厳密にしなくてもいいと思います。

アルミホイルで芯をつくり、粘土をかぶせていきます。
アルミホイル芯

粘土を盛ったり削ったりしての繰り返しです。
油土の盛り

つまようじで、細かい模様をつけていきます。ガボラは体表がデコボコしているので、アボガドなどで表面にパターンをつけていきます。

最後にラッカーシンナー等で表面を少々なすってやると、表面が綺麗になります。
芯3
ラッカーシンナー

≪続く≫
芯5

ラテックスで人形作りの備忘録(2)

4.骨組み
骨組みは、アルミ線や針金を使います。アルミ線は盆栽用に3mm太の物が、便利です。
30cm程度の人型をイメージしてより合わせ、ガーゼや手拭いを細切りにした物を巻き付けて、Gボンドで固定します。さらにスポンジ等で適当な太さまで肉付けします。

5.張り合わせ
肉付けした骨組みに、Gボンドを使用して、ラテックスで作ったゴム皮を着せ付けて張り合わせます。Gボンドはベタつくので、接着面からよくはみ出しますが、後からラッカーシンナーである程度、拭き取れます。接着面が乾いたら、ツギ目隠しに、ラテックスを盛り付けたりします。目や爪や牙などは、適宜、エポキシパテ等で別パーツを作成して、Gボンドでゴム皮に接着します。

6.塗装
塗装は、ゴム皮の表面の伸縮性に合わせて、伸びるようには出来ません。強いて言えば、ウェットスーツ用の塗料などが使用できますが、色数が少なくて高価ですので、リキテックスを使用します。リキテックスを水や溶剤で希釈せずに、液体ラテックスで希釈して筆塗りしてゆきます。怪獣ですから汚し塗装でエッジを引き立たせます。茶系のリキテックスを水でサラサラに希釈して全体的にウォッシングしてやります。

完成

≪3へ続く≫

 

ラテックスで人形作りの備忘録(1)

数年前から、自分の中で凝っている事に、ラテックスの人形(ウルトラ怪獣)作成があります。備忘録として、製作工程をまとめて行きたいと思います。

1.原型作り
大体、30cm程度の原型を粘土で、つくります。
油粘土、又は工業用粘土(インダストリアルクレイ)で、つくります。油土も工業クレイも、ヘアドライヤーで暖めながら作業すると楽です。
大きい胴体の部分は、アルミホイルをまるめて芯材にすると、軽量化が図れます。手足等は、型取りする際に分解する事もあるので、芯材は入れません。
表面は、爪楊枝や竹串を使って、デコボコをパターン押ししていきます。アボガドやミカンの表面を使ってパターン押ししてもいい感じが出ます。
形が出来上がったら、表面を軽くラッカーシンナーを筆に含ませて撫でてやると、指紋も消えるし、きれいに仕上がります。

2.型取り
石膏で型取りします。
胴体、頭、手足、尾 等に原型を分割して、パーティングラインを決めます。
油土や工業クレイと材質が違う、水粘土(彫塑用の水で練った粘土)で、パーティングラインに沿って、土手を作ります。
土手は、水を含ませた筆で、表面を少し溶かすような感覚で、滑らかに仕上げます。
完全な平面になってしまうようなら、型枠のズレ防止用にダボを追加します。

石膏は、原型の表面にあたる部分は、歯科用の樹脂入り石膏が強力で良いと思います。ただ価格が張るので、表面を1cm位、覆ったらそれ以降は、通常の焼き石膏で充分です。
しかし、焼き石膏の部分は、強度をつけるために、麻や、ガーゼの切れ端を混入します。
片面を型取りしたら、水粘土の土手を外して、パーティングラインに当たる石膏面に、カリ石鹸を塗って、接着防止します。
更に反面を、石膏で型取りして、充分に石膏が固まったら、パーティングラインで分解し、原型であった油土を剥がします。
石膏型にラテックス注入用の湯口を、カッター等で掘ります。その後充分に乾燥するようにオーブンで、数分、加熱します。

3.注型
出来上がった石膏型を、パーティングラインで併せ、壺型にします。
液体ラテックスを注ぎ込んで、湯口にはラップなどで蒸発防止をします。そうする事で石膏にあたる部分のみのラテックスが硬化を始めて、ゴム皮状になります。
注型時間は気温にもよりますが、6~10時間程度です。その後、湯口から、余った液体ラテックスを排出して、ゴム皮の内側を、布団乾燥機などで、風をあて、完全に乾かします。
完全硬化したら、ベビーパウダーを表面にはたいて、くっつき防止をしながら、ゆっくり型から剥がします。

≪2へ続く≫